-転 機-
九月に入り、朝晩の風は、どことなく秋の気配を含んでいて、季節の移ろいを感じます。
時の経つのは早いもので、施設長に就任し初めての秋を迎えようとしています。7月1日には、沢山の方々に支えてもらったお陰で、創立25周年を迎えることができました。当日は、これまでにお世話になった方への感謝と自分自身を見つめ直す大切な一日でもありました。
人の人生は分からないもので、ふとしたきっかけで大きく変わることがあります。私が福祉の道へすすむきっかけとなったのが、高校3年生の時、地元の映画館で観た、宮城まり子さん主宰の社会福祉施設「ねむの木学園」のドキュメンタリー映画、「ねむの木の詩がきこえる」でした。学園で生活している子どもさんと職員の心あたたまる交流をとおして、教育とは、友情とは、愛とはなにかが描かれていました。丁度、進路のことで悩んでいる時期でもありましたので、この映画を観たとたん全身に衝撃がはしり、心に感じるものがありました。当時、ほとんどの映画館は、2本抱き合わせの同時上映というスタイルだったと思いまが、サブで上映されたこの映画に出会わなければ、今のわたしは無かったかもしれません。
おかげさまで、大学卒業後はずっと福祉の仕事に携わっています。その間たくさんの方との出会いや別れがありましたが、人としての大事なことを学ばせてもらいました。あと何年この仕事が続けられるか分かりませんが、福祉の仕事を適職と思い、日々努力していきたいと思います。
施設長:賴藤繁夫